マンションや宅地の分譲で使う「モデルルーム」「現地案内所」のように、事務所以外の場所で宅建業の契約を締結したり、申込みを受けたりする場合は、その場所の性質に応じて、届出や専任の宅地建物取引士の設置が必要です。届出は、業務を開始する日の10日前までに行います(宅建業法第50条第2項、施行規則第19条第3項)。
届出・標識が必要になる場所の区分
宅建業法施行規則第19条第1項では、事務所以外で標識の掲示が必要な場所として、次の5つを挙げています。
- 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、事務所以外のもの
- 宅建業者が一団の宅地建物の分譲をする場合における、その宅地・建物の所在する場所
- 上記の分譲を案内所を設置して行う場合の、その案内所
- 他の宅建業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理・媒介を、案内所を設置して行う場合の、その案内所
- 宅建業者が業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場合の、その場所
これらの場所には、それぞれの区分に応じた様式の標識を掲げます(施行規則第19条第2項)。専任の宅地建物取引士を置くべき場所かどうかで、様式が分かれています。
専任の宅地建物取引士の設置が必要になる場合
専任の宅地建物取引士の設置(1名以上)が必要になるのは、宅建業法施行規則第15条の5の2に定める場所のうち、次のいずれかで、契約の締結や申込みの受付を行う場合です(同条)。
- 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、事務所以外のもの
- 宅建業者が「10区画以上の一団の宅地」または「10戸以上の一団の建物」の分譲を、案内所を設置して行う場合の、その案内所
- 他の宅建業者が行う、10区画・10戸以上の一団の分譲の代理・媒介を、案内所を設置して行う場合の、その案内所
- 展示会その他これに類する催しを実施する場所
必要な人数は、施行規則第15条の5の3により、これらの場所では1名以上です(事務所は、従業者数の5分の1以上)。
つまり、10区画・10戸に満たない小規模な分譲の現地販売所などは、この専任設置の基準には当たりません。ただし、契約を締結せず、単に物件の案内やパンフレットの配布のみを行う場所であれば、そもそも届出・標識の対象にならない場合もあります。案内所で契約行為まで行うかどうかが、判断の分かれ目です。
届出の内容と時期
宅建業者は、あらかじめ、専任の宅地建物取引士を置くべき場所について、次の事項を、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事、および、その場所を管轄する都道府県知事に届け出ます(宅建業法第50条第2項)。
- 所在地
- 業務内容
- 業務を行う期間
- 専任の宅地建物取引士の氏名
届出は、業務を開始する日の10日前までに行います(施行規則第19条第3項、様式第12号)。大阪府内の物件の分譲を、大阪府知事免許の事業者が行う場合は、大阪府にのみ届け出れば足りますが、免許権者と案内所の所在地の都道府県が異なる場合は、両方への届出が必要です。
案内所を出すときのチェックリスト
- その場所で、契約の締結や申込みの受付を行うか(行わない場合は届出の対象外の可能性)
- 分譲の規模が10区画・10戸以上かどうか(専任宅建士の設置基準に関わる)
- 専任の宅地建物取引士を、1名以上確保しているか
- 業務開始の10日前までに、届出書(様式第12号)を提出する準備ができているか
- 標識を、区分に応じた様式で掲示する準備ができているか
案内所の専任宅建士は、事務所の専任宅建士とは別に確保する必要があります。専任性の考え方は、専任の宅地建物取引士とはで解説しています。
まとめ
案内所での届出・専任宅建士の設置は、契約行為を行うかどうか、分譲の規模(10区画・10戸以上か)によって基準が変わります。分譲やモデルルームの計画がある場合は、開催日の10日以上前から準備を進めてください。届出書類の作成は、NEO行政書士事務所にご相談いただけます。
案内所の届出のほか、更新・変更届・免許換えなど、宅建業の手続き全体は宅建業の総合ガイドにまとめています。
出典:宅地建物取引業法第50条(e-Gov法令検索)、宅地建物取引業法施行規則第15条の5の2・第15条の5の3・第19条(同)。2026年9月27日に確認した内容です。
