宅建業免許を取得した後は、事務所に「標識」と「報酬額」を掲示し、従業者に「従業者証明書」を携帯させ、「従業者名簿」と「帳簿」を備え付ける必要があります(宅建業法第46条、第48条〜第50条)。

従業者名簿は最終の記載をした日から10年間、帳簿は各事業年度の末日に閉鎖した後5年間(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)、保存しなければなりません。

一覧

項目内容(根拠)
標識(業者票)事務所ごとに、公衆の見やすい場所に掲げる(宅建業法第50条第1項)
報酬額の掲示事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示する(宅建業法第46条第4項)
従業者証明書従業者に携帯させる。取引の関係者から請求があれば提示する(宅建業法第48条第1項・第2項)
従業者名簿事務所ごとに備え、記載事項を記載する。取引の関係者から請求があれば閲覧させる。最終の記載をした日から10年間保存する(宅建業法第48条第3項・第4項、施行規則第17条の2)
帳簿事務所ごとに備え、取引のつど記載する。事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後5年間保存する(宅建業法第49条、施行規則第18条)

標識(業者票)

事務所には、施行規則の別記様式第9号による標識を掲げます(施行規則第19条第2項)。事務所のほか、継続的に業務を行う施設を持つ事務所以外の場所や、一団の宅地建物の分譲を行う場所、案内所、展示会などの場所にも、場所に応じた様式の標識を掲げます。

専任の宅地建物取引士を置くべき案内所などで業務を行うときは、業務を開始する日の10日前までに、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事と、その所在地を管轄する都道府県知事に届け出ます(宅建業法第50条第2項、施行規則第19条第3項)。案内所を出すときの届出は案内所を出すとき確認すべき届出と専任宅建士で整理しています。

報酬額の掲示

宅建業者が受け取れる報酬の額は、国土交通大臣が定めています。事務所ごとに、その額を、公衆の見やすい場所に掲示します。定めた額を超えて報酬を受けることはできません(宅建業法第46条)。

従業者証明書

従業者には、従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、業務に従事させることはできません。様式は、施行規則の別記様式第8号です(施行規則第17条)。従業者は、取引の関係者から請求があったときは、証明書を提示します。

従業者名簿

事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名、従業者証明書の番号のほか、次の事項を記載します(施行規則第17条の2)。

  • 主たる職務内容
  • 宅地建物取引士であるか否かの別
  • その事務所の従業者となった年月日
  • その事務所の従業者でなくなったときは、その年月日

これらの事項が、電子計算機のファイルなどに記録され、必要に応じて事務所で紙面に表示できるときは、その記録をもって名簿への記載に代えることができます。名簿は、最終の記載をした日から10年間保存します。

帳簿

事務所ごとに業務に関する帳簿を備え、宅建業に関して取引のあったつど、年月日、宅地・建物の所在および面積などを記載します(宅建業法第49条)。施行規則第18条では、次の事項が定められています。

  • 売買・交換、または売買・交換・貸借の代理・媒介の別
  • 取引の相手方や、媒介に係る当事者の氏名および住所
  • 取引に関与した他の宅建業者の商号または名称
  • 宅地・建物の概況
  • 売買金額、交換物件の品目および交換差金、または賃料
  • 報酬の額
  • 取引に関する特約その他参考となる事項

自ら売主となる新築住宅の場合は、引渡しの年月日など、追加の事項があります。帳簿は、各事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)保存します。電子的な記録による備え付けも認められています。

免許を受けた直後のチェックリスト

  • 免許を受けたら、標識と報酬額の掲示を、事務所の入口など、来訪者が見やすい場所に用意する
  • 従業者を雇い入れたときは、従業者証明書の発行と、名簿への記載をセットで行う
  • 従業者が退職したときは、名簿に退職の年月日を記載し、名簿は最終の記載から10年間保存する
  • 取引のたびに帳簿に記載する運用を、開業前に決めておく

掲示物や名簿・帳簿の運用を、開業前に決めておきたい場合は、NEO行政書士事務所にご相談ください。免許を取得した後の全体の流れは、開業準備を時系列で整理した記事にまとめています。

まとめ

宅建業者には、免許を取った後も、掲示・携帯・備え付けの義務があります。特に、従業者名簿(10年)と帳簿(5年)は保存期間が長いため、開業の当初から、記載の運用を決めておくことが大切です。開業後の手続きのご相談は、NEO行政書士事務所で承っています。

免許を受けるまでの流れは宅建業免許の新規申請について詳しくはこちら、更新や変更届を含む手続き全体は宅建業の総合ガイドで確認できます。

出典:宅地建物取引業法第46条・第48条〜第50条(e-Gov法令検索)、宅地建物取引業法施行規則第17条・第17条の2・第18条・第19条(同)。2026年9月26日に確認した内容です。

※本記事は宅建業免許制度に関する一般的な情報を目的としたものです。要件・必要書類・費用・運用は変更されることがあり、個別の状況によっても異なります。申請の際は、必ず大阪府(所轄行政庁)や各保証協会の最新の案内をご確認ください。

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