賃貸住宅の管理戸数(自己所有物件の管理を除く)が200戸以上になる賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣の登録を受ける必要があります(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)。登録免許税は9万円、標準処理期間は90日です。この記事では、新規登録の要件と申請の流れを、国土交通省の資料に沿って整理します。
登録が必要になる基準
賃貸住宅管理業とは、賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、賃貸住宅の維持保全を行う業務(または、維持保全と家賃・敷金などの金銭管理を併せて行う業務)を行う事業です(国土交通省FAQ)。この管理戸数が、自己所有物件の管理を除いて200戸以上になる場合に、登録が義務付けられます。宅建業免許との違いは、宅建業免許と賃貸住宅管理業登録の違いで整理しています。
登録の要件
業務管理者:営業所または事務所ごとに、業務管理者を1名以上配置します。業務管理者になるには、次のいずれかを満たす必要があります(国土交通省)。
- 管理業務に関する2年以上の実務経験があり、賃貸不動産経営管理士として登録されていること(国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録試験に合格し、登録を受けることで満たされます)
- 管理業務に関する2年以上の実務経験があり、宅地建物取引士であって、指定講習を修了していること
実務上は、賃貸不動産経営管理士の資格を持つ方を業務管理者に充てるケースが中心です。専任の宅地建物取引士が業務管理者を兼ねることは、賃貸住宅管理業法上は法律違反にはならないとされています。ただし、業務管理者は、従業員が行う管理業務について、必要な指導・管理・監督に従事できる必要があります。賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法における国家資格として位置づけられており、業務管理者の要件としての重要性は今後さらに高まることも見込まれます。
財産的基礎:登録には、国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎が必要です。基準は、登録の申請日を含む事業年度の前事業年度における「財産及び損益の状況が良好であること」とされています(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則第10条)。法人は貸借対照表・損益計算書、個人は財産に関する調書で証明します。
欠格要件:一定の刑罰を受けた者や、暴力団員等に該当する者など、法第6条に定める事由に当たる場合は、登録を拒否されます。
申請の流れ
登録に係る申請は、原則として「賃貸住宅管理業登録等電子申請システム」を利用します(郵送による申請も可能ですが、電子申請のほうが早く処理されます)。申請先は、本店または主たる事務所を管轄する地方整備局等です。
- gBizIDプライムのアカウントを取得する(申請から承認まで2〜3週間以上必要)
- 業務管理者の配置状況、財産的基礎を示す書類など、必要書類を準備する
- 電子申請システムで申請情報を入力し、申請する
- 登録免許税9万円を納付する
- 審査を経て、登録される(標準処理期間は90日)
行政書士等の代理人が電子申請システムでの手続きを行う場合も、委任者としてのgBizIDプライムのアカウントIDの取得が必要です。電子申請システムの利用可能時間は毎日7時から24時(毎月第4水曜日の9時〜17時はメンテナンスのため利用不可)です。
登録免許税と処理期間
- 登録免許税:9万円(申請1件につき)
- 標準処理期間:申請受理から登録まで90日(申請情報に不備がある場合や、追加資料の提供を求める場合の対応期間は含みません)
登録後の主な義務
登録を受けた後は、業務管理者の配置に加えて、管理受託契約を締結する前の重要事項説明、契約書面の交付などの義務があります。登録の有効期間は5年間で、更新の申請は有効期間満了日の90日前から30日前までに行います。更新の実務は賃貸住宅管理業の登録更新はいつ?で解説しています。
登録前のチェックリスト
- 管理戸数(自己所有物件を除く)が200戸以上になる見込みか確認した
- 業務管理者の要件(実務経験2年以上+登録試験合格、または宅建士+指定講習)を満たす人を確保した
- 直近の決算で、財産的基礎の基準を満たすか確認した
- gBizIDプライムの取得に着手した(2〜3週間以上)
- 申請先(本店を管轄する地方整備局等)を確認した
まとめ
賃貸住宅管理業の登録は、業務管理者の配置と財産的基礎の要件を満たしたうえで、電子申請システムから申請します。登録免許税は9万円、標準処理期間は90日です。gBizIDの取得に時間がかかるため、早めの準備が開業スケジュールを守る鍵になります。登録要件の確認や申請書類の準備は、NEO行政書士事務所にご相談ください。登録が必要になる基準は賃貸住宅管理業の登録は必要?200戸の基準と対象業務、業務管理者の要件は賃貸住宅管理業の業務管理者とは、申請の流れや費用をまとめて確認したい方は賃貸住宅管理業登録(新規)の申請ガイド、手続き全体は賃貸住宅管理業の総合ガイドにまとめています。
出典:国土交通省「賃貸住宅管理業登録の方法」「賃貸住宅管理業法ポータルサイト よくある質問」「業務管理者について」。2026年9月28日に確認した内容です。
