宅建試験に合格しても、そのまま宅地建物取引士(宅建士)として働けるわけではありません。合格のあとに、資格登録と宅建士証の交付申請の2つの手続きが必要です。登録には審査があり、宅建士証の受け取りまで含めると、数週間から2か月近くかかります。

この記事では、大阪府で登録する場合の手続きを、大阪府の公式の案内を中心に整理します。大阪府以外で受験した方は、登録は受験した都道府県で行うため、その都道府県の案内をご確認ください。内容は2026年10月20日時点で、試験後から合格発表までの確認事項は令和8年度宅建試験が終了:合格発表までに確認したいことにまとめています。

合格してから、宅建士として働けるまでの3ステップ

  1. 資格登録を申請する:審査は標準で約5週間です。登録が完了すると、はがきで登録番号などが通知されます
  2. 宅建士証の交付を申請する:登録が完了してから申請します。手数料は4,500円です
  3. 宅建士証を受け取る:この時点で、はじめて「宅建士」として業務ができます

登録が完了しただけでは、宅建士の仕事はできません。宅建業法では、「宅地建物取引士」とは、宅建士証の交付を受けた者をいうと定められています(宅建業法第2条第4号)。重要事項の説明は、宅建士にさせなければならず(第35条第1項)、宅建士は、説明をするときに宅建士証を提示しなければなりません(第35条第4項)。つまり、宅建士証が手元にない間は、重要事項説明などの宅建士の業務はできません。

日程の目安

時期内容
10月18日令和8年度宅建試験(実施済み)
11月25日(水)9時30分合格発表。合格証書は、あとから送付されます(登録申請に必要です)
合格後資格登録を申請します。実務経験がない方は、先に登録実務講習の修了が必要です
申請から約5週間登録の審査(不備がない場合の標準の期間)。登録が完了すると、はがきで通知されます
登録の完了後宅建士証の交付を申請します。申請の受付から、1週間〜10日後に交付されます

登録の審査が約5週間、宅建士証の交付が申請から1週間〜10日とされているため、書類の不備や郵送の日数を除いても、登録の申請から宅建士証が届くまでに、およそ6〜7週間はかかります。たとえば、12月中旬に登録を申請した場合、登録の完了は1月中旬から下旬ごろで、宅建士証が手元に届くのは、1月下旬から2月上旬ごろが目安です。年内や年明けすぐに宅建士として働く予定がある方は、早めの準備が欠かせません。

資格登録ができる人

資格登録ができるのは、試験に合格し、欠格要件に該当せず、次のいずれかに当たる方です。

  • 宅地建物取引業の実務(一般管理部門を除く)の経験が、2年以上ある
  • 登録実務講習を修了した
  • 国、地方公共団体、これらの出資により設立された法人で、宅地または建物の取得・処分の業務に、通算2年以上従事した

大阪府の案内では、実務経験は、登録申請前の10年間に通算2年以上あることが必要です。算入できるのは、顧客への説明や物件調査など、具体の取引に関する業務のみで、総務など顧客と直接接しない部門の期間は算入できません。登録実務講習の修了証は、修了日から10年間有効とされています。欠格要件は、宅建業法第18条第1項に定められており、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合や、一定の刑罰を受けてから5年を経過していない場合、暴力団員等に該当する場合などです。

登録先は、受験した都道府県の知事です。大阪府で受験した方は、大阪府に申請します。

実務経験がない方は、登録実務講習の予約を早めに

宅建業の実務経験が2年に満たない方は、登録実務講習を修了することで、実務経験と同等と認められ、登録の要件を満たせます。国土交通大臣の登録を受けた機関が実施し、国土交通省のページに、登録実務講習の実施機関の一覧(令和7年12月4日現在)が掲載されています。一覧には、大阪市に所在する機関も含まれています。この講習は、試験に合格した方が対象で、合格していない方は受講できません。

講習の内容や料金、日程は、機関ごとに異なります。公開されている実施機関の案内では、次のような例があります(機関によって異なります)。

  • 形式:自宅での通信学習と、その後のスクーリング(合計12時間程度)、修了試験で構成される例。1日または2日間の集合講習のみの例もあります
  • 受講料:1万円台から2万円台の例があります
  • 定員と締切:各回の定員が決まっており、申込の締切日が設定されています。人数が少ない場合は、開催が中止になる例もあります
  • 大阪会場の日程:12月や1月の日程が公開されており、締切が合格発表の直後(11月下旬)に設定されている日程もあります

ここからは、当事務所の実務上の考え方です。自己採点で、合格がほぼ確実と考えられる方は、合格発表(11月25日)を待たずに、登録実務講習の日程を確認し、予約を進めておくことをおすすめします。講習は定員制で、締切が合格発表の直後になる日程もあり、発表を見てから動くと、希望の日程が埋まっていることがあります。講習の修了が遅れると、登録の申請も遅れ、宅建士として働き始める時期が、そのぶん後ろにずれます。

ただし、受講は合格が前提です。合格発表前に、予約や仮申込を受け付けるかどうかは、機関によって異なります。申し込む前に、次の点を機関に確認してください。

  • 合格発表前の予約・仮申込ができるか。申込に、合格証書の写しなどが必要になる時期はいつか
  • 不合格だった場合の取り消しの方法と、受講料の返金の扱い
  • 日程の変更の可否と、手数料
  • 修了証が交付される時期(修了試験の当日に交付される例もあります)

実務経験が2年以上ある方は、勤務先に、実務経験証明書(様式第5号の2)を早めに依頼しておくと安心です。証明書は、勤務先(または元の勤務先)が発行したものが必要で、申請者本人が作成したものは無効とされています。申請者が宅建業者の代表者の場合や、実務経験先が廃業している場合は、他の宅建業者または宅地建物取引業保証協会の証明が必要です。

資格登録の手続き(大阪府)

申請先は、大阪府都市整備部住宅建築局建築指導室建築振興課の宅建業免許等受付窓口(大阪府咲洲庁舎2階)です。受付時間は9時30分から17時までで、土曜・日曜・祝日・年末年始は除きます。本人または代理人が書類をそろえて窓口へ持参するほか、国土交通省のシステム(eMLIT)によるオンライン申請もできます。

  • 手数料:37,000円。窓口では、大阪府庁舎内の手数料の納付窓口で、手数料(Pos)納付用連絡票を使って納付します。オンライン申請では、コンビニや府庁舎内の窓口で納付し、納付を確認できる画像を添付します。添付しないと、審査が始まりません
  • 審査期間:不備がない場合は約5週間です。不備があると補正に時間がかかります
  • 様式:窓口では配布されません。大阪府のホームページからダウンロードするか、用紙の販売所で購入します

オンライン申請では、合格者の情報が、システムに反映されるまでに時間がかかります。大阪府の案内では、合格発表の直後は、反映が例年12月中旬ごろになるため、登録の完了まで相当の期間がかかるとされています。急ぐ方には、来庁による申請が案内されています。

主な提出書類

  1. 登録申請書(様式第5号)
  2. 顔写真1枚(申請前6か月以内に撮影。無帽・正面・上三分身・無背景のカラーで、縦3cm×横2.4cm)
  3. 手数料納付の連絡票(大阪府手数料(Pos)納付用連絡票)
  4. 誓約書(様式第6号)
  5. 市区町村長が発行する、後見・破産についての証明書(原本。発行から3か月以内)
  6. 登記されていないことの証明書(原本。発行から3か月以内)
  7. 住民票の抄本(原本。発行から3か月以内。マイナンバーの記載がないもの)。住民基本台帳ネットワークの利用により、省略できる場合があります(日本国籍でない方は省略できません)
  8. 合格証書の原本(提示)とコピー
  9. 実務の資格を証する書面:実務経験証明書、登録実務講習の修了証、または、国・地方公共団体等の証明書のいずれか
  10. 従業者証明書の原本(提示)とコピー(宅建業者に従事している方のみ)

証明書類には、発行から3か月以内、写真には、6か月以内という期限があります。早く取りすぎると、申請のときに期限が切れていることがあるため、申請の直前に取得してください。

登録が完了しても、まだ宅建士証の交付申請が必要です

登録が完了すると、はがきで登録番号などが通知されます。このあとに、宅建士証の交付を申請します。登録を受けているだけでは、「宅建士」としての業務はできません。

大阪府では、交付の事務を、一般財団法人大阪府宅地建物取引士センターが行っています。

  • 申請の時期:資格登録が完了したあと(登録が完了していないと、申請できません)
  • 申請の方法:郵送(現金書留)
  • 手数料:4,500円。現金のみで、振込はできません。非課税です
  • 交付までの期間:申請の受付から、1週間〜10日後
  • 有効期間:5年間

交付申請の主な書類

  1. 宅地建物取引士証交付申請書
  2. 法定講習免除者カード・預り票(それぞれ1部)
  3. 証明写真(カラーで同一のもの2枚。申請前6か月以内に撮影。肩から上・正面・無帽・無背景で、縦3cm×横2.4cm)
  4. 運転免許証・パスポートなどの、本人確認書類のコピー(顔写真のある面)
  5. 資格登録通知書(はがき)のコピー
  6. 宅建試験の合格証書のコピー
  7. 交付手数料4,500円
  8. 返信用封筒(460円分の切手を貼った定形封筒)

登録した事項(氏名・住所・本籍・従事先)に変更がある場合は、交付申請の1週間前までに、大阪府の建築振興課に、資格登録事項の変更申請を別に行う必要があります。2024年(令和6年)7月から、宅建士証は、プラスチックカード型になっています。

法定講習は、合格後1年以内の交付申請なら免除されます

宅建士証の交付を受けるには、原則として、都道府県知事が指定する法定講習を、申請前6か月以内に受講する必要があります。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする場合は、受講は不要です(宅建業法第22条の2第2項)。合格後1年を超えて申請する場合は、法定講習の受講料12,000円と、交付手数料4,500円を合わせて、16,500円がかかります。宅建士としての業務に従事する予定がない方は、すぐに申請しなくてもかまいませんが、合格後1年を超えると、法定講習が必要になります。

費用のまとめ

項目費用備考
資格登録の手数料37,000円大阪府に納付
宅建士証の交付手数料4,500円大阪府宅地建物取引士センター。現金のみ
登録実務講習の受講料機関ごとに異なる実務経験が2年未満の方のみ
法定講習の受講料12,000円合格後1年を超えて交付申請する場合のみ
証明書・写真などの取得費用実費市区町村・法務局の証明書、写真、返信用の切手など

実務経験があり、合格後1年以内に交付申請する場合は、手数料は、登録の37,000円と、交付の4,500円を合わせて、41,500円です(証明書などの実費を除きます)。

合格発表の前にできる準備のチェックリスト

  • 実務経験が2年以上あるかを整理した(登録申請前の10年間に、通算で必要です)
  • 実務経験がない場合は、登録実務講習の機関・日程・締切・合格発表前の予約の可否を確認した
  • 実務経験がある場合は、勤務先に、実務経験証明書の作成を依頼する段取りをつけた
  • 申請の方法(来庁かオンライン)を決めた。急ぐ場合は、来庁のほうが早い場合がある
  • 証明書類の期限(3か月以内)と写真の期限(6か月以内)を踏まえて、取得の時期を決めた
  • 宅建士として働き始めたい時期から逆算して、申請の時期を決めた(登録の審査約5週間+交付1週間〜10日)

つまずきやすい点

  • 登録の完了だけで、宅建士として働けると思ってしまう(宅建士証の交付が必要です)
  • 実務経験証明書を、自分で作成してしまう(無効です)
  • 証明書類や写真の期限が切れている
  • オンライン申請で、手数料の納付画像を添付し忘れ、審査が始まらない
  • 合格発表後に、講習の日程を探して、希望の日程が埋まっている

宅建士になったあと、宅建業の開業を考えている方へ

宅建士の資格があっても、それだけでは宅建業を営めません。事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置き、宅建業の免許を取得する必要があります。宅建士に合格したあとの開業の全体像は宅建士に合格したら、宅建業での開業という選択、専任の宅建士の要件は専任の宅地建物取引士について詳しく見る、免許の取得の流れは宅建業免許の新規申請について詳しくはこちら、開業までの準備は大阪府で宅建業を始めるときの準備で解説しています。宅建業の手続き全体は宅建業の総合ガイドにまとめています。

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出典:大阪府「宅地建物取引士の新規登録申請について」「宅地建物取引士の新規登録のオンライン申請について」、(一財)大阪府宅地建物取引士センター「試験合格1年以内の宅地建物取引士証交付」「法定講習の申し込み、宅地建物取引士証の交付(更新・試験合格1年超)」、一般財団法人不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」「宅建試験のスケジュール」、国土交通省「登録実務講習実施機関一覧」、宅地建物取引業法第2条・第18条・第22条の2・第35条(e-Gov法令検索)。2026年10月20日に確認した内容です。登録実務講習の内容や料金は、各実施機関が公開している案内の例です。

※本記事は宅地建物取引士の資格登録に関する一般的な情報を目的としたものです。手続き・手数料・必要書類・日程は変更されることがあり、個別の状況によっても異なります。申請の際は、必ず大阪府および(一財)大阪府宅地建物取引士センターの最新の案内をご確認ください。登録実務講習の受講や申込の条件は、各実施機関にお問い合わせください。

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