「自宅で宅建業を始められるか」「レンタルオフィスでも免許は取れるか」といったご相談は、近年増えています。結論は物件の形態と契約内容によって変わります。このページでは、大阪府の案内に沿って事務所要件を整理し、契約前に確認しておくべき7つのポイントをまとめます。
事務所要件の基本
宅建業の事務所には、継続的に業務を行うことができる施設であること、そして他社や個人の生活部分から独立していること(独立性)が求められます。大阪府の案内では、テント張りやホテルの客室のほか、コンテナハウス・トレーラーハウスなどの仮設の建設物や、任意に移動できる物件内に事務所を置くことは認められないとされています。
「独立性」とは何か
他の業者の事務所を通らずに、申請する事務所へ直接入れることが基本です。同じ部屋を他社と共同で使う場合は、床面から高さ170cm以上の固定式パーテーション等で明確に仕切られ、他の事務所部分を通らずに直接入れることが条件とされています。枠だけのものや、ガラスなど向こう側が見えるものは、仕切りとして認められないとされています。
自宅で開業できるか
大阪府の案内では、マンションなど区分所有建物の一室を自宅と兼ねて使う場合は、原則として認められません。例外として、その建物の管理規約で事務所としての使用が認められており、かつ住居部分と区別されて独立性が保たれている場合には、認められることがあります。戸建ての場合の可否について、大阪府の資料に明確な記載は確認できていません。住居部分と事務所部分が区別され、独立性が保たれているかが確認される点は共通のため、賃貸借契約や内装工事の前に、大阪府へ事前に確認してください。
レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィス
大阪府の案内では、次のような整理になります。
- レンタルオフィスやシェアオフィスは、審査の対象になる
- 契約者以外が立ち入れない場合(消費者等が出入りする事務所として安定して使えない場合)は、事務所として使用できない
- 時間帯利用(昼間だけ使い、夜間は他社が利用するなど)は、事務所として使用できない
- 共有の会議室を事務所として使うことは認められない
- 他社と部屋を共同で使う場合は、独立性(高さ170cm以上の固定式パーテーション等で仕切り、他の事務所部分を通らずに直接入れること)が保たれている場合に限り認められる
「バーチャルオフィス」や住所貸しについては、大阪府の資料に明確な記載が確認できていません。ただし、事務所は継続的に業務を行える施設で、申請時に電話が開通し営業できる状態であることが求められるため、実際に業務を行う場所がない形態は、条件に合わない可能性が高いと考えられます。検討する場合は、大阪府へ事前に確認してください。
「レンタルオフィス」と名前が付いていても、契約内容や区画の作りによって結論が変わります。契約してから認められないと分かった場合、解約や再契約の負担が大きいため、契約前の確認をおすすめします。
事務所の使用権原
申請では、その事務所を継続して使用できる権利があることを示す書面が必要です。所有の物件であれば登記事項証明書、賃貸であれば賃貸借契約書の写し等が一般的です。書面には、所有者、契約相手、契約期間、契約形態(賃貸借または使用貸借)、用途(住居・事務所など)を書く欄があります。家族が所有・契約している住宅を使う場合は、使用承諾書や貸借契約書の作成と提示が求められます。転貸(また貸し)の物件の扱いは、大阪府の資料で明確な記載が確認できないため、事前に確認してください。
申請前に確認したい7つのポイント
大阪府の資料から、物件を決める前に確認しておきたい点を7つに整理しました。
- ① 住居との兼用:管理規約で事務所使用が認められているか。住居部分と区別できるか
- ② 他社との同室:高さ170cm以上の固定式で、向こう側が見えない仕切りがあるか
- ③ 入口と動線:他社の事務所を通らずに、直接入れるか
- ④ 使い方:専用の区画を継続して使え、来客が出入りできるか(共有会議室・時間帯利用・立入制限がないか)
- ⑤ 契約内容:レンタル・シェアオフィスの契約に、立入りや時間の制限がないか
- ⑥ 使用権原:契約書の用途が事務所として使えるものか。家族名義なら使用承諾書があるか
- ⑦ 営業できる状態:申請書に書く電話が開通し、机・ロッカー・応接場所などが設置されているか。入口に登記どおりの商号を掲示しているか。写真は6か月以内のものか
大阪府は、申請書記載の電話が開通していない場合や、改装中で事務所の形態を備えていない場合は、受付をしないとしています。また、新規の申請時点では「宅建業を営んでいる旨」の表示はできません。業者票と報酬額表の掲示は、免許を受けたあとです。過去の申請の写真の流用も認められません。
事務所を移転・増設するとき
事務所の所在地が変わった場合は、変更後30日以内に変更届を提出します。移転先の事務所も、上記の要件を改めて満たしている必要があります。他の都道府県に事務所を増設する、または主たる事務所を移す場合は、大臣免許への切り替えや免許換えが必要になることがあります。事務所が増えると保証金の額にも影響するため、営業保証金と保証協会の違いもあわせてご確認ください。専任の宅地建物取引士の要件は専任の宅地建物取引士とはで解説しています。
よくある質問
マンションの自宅を事務所にして、宅建業免許を取得できますか?
大阪府の案内では、マンションなど区分所有建物の一室を自宅と兼ねて使う場合は、原則として認められません。ただし、管理規約で事務所としての使用が認められ、かつ住居部分と区別されて独立性が保たれている場合には、認められることがあります。契約や改装の前に、必ず確認してください。
レンタルオフィスやシェアオフィスで開業できますか?
契約者以外の立入りが禁止されている場合や、時間帯で他社と使い分ける場合は、事務所として使用できません。他社と部屋を共同で使う場合は、床面から高さ170cm以上の固定式パーテーション等で仕切られ、他の事務所部分を通らずに直接入れることが条件とされています。
住所と電話番号だけを借りるバーチャルオフィスでも認められますか?
大阪府の資料に、バーチャルオフィスや住所貸しについての明確な記載は確認できていません。ただし、事務所は継続的に業務を行うことができる施設で、申請時に電話が開通し、営業できる状態であることが求められます。住所や電話番号を借りるだけで、実際に業務を行う場所がない形態は、これらの条件に合わない可能性が高いため、検討する場合は大阪府へ事前に確認してください。
事務所を移転する場合はどうなりますか?
大阪府内での移転は、移転後の事務所が要件を満たしていることを前提に、変更後30日以内に変更届を提出します。他の都道府県へ主たる事務所を移す場合は、免許換えの手続きが必要になります。
物件を契約する前に、事務所要件を確認しませんか
候補の物件が事務所として認められるかを、契約前に確認できます。自宅・レンタルオフィスでの開業もご相談ください。
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