大阪府知事免許の新規申請では、法人と個人に共通する書類が中心で、法人だけ、個人だけが出す書類が数点あります。特に混乱しやすいのは、身分証明書と「登記されていないことの証明書」です。令和6年5月25日以降、これらは専任宅建士の分だけ不要になりましたが、役員や政令使用人には引き続き必要です。
書類の様式や添付の要否は改訂されることがあります。ここでは、大阪府が公開している現行の案内(2026年9月時点)に沿って整理します。申請前には、必ず大阪府の最新ページで確認してください。
必要書類は、申請者に関する書類・専任の宅地建物取引士に関する書類・事務所に関する書類の3つのまとまりと、法人・個人の別、身分証明書等の対象者に分けて整理すると、抜けを防ぎやすくなります。
まず知っておきたい共通ルール
- 申請書類は、正本1部と副本1部を提出します。
- 官公署が発行する証明書は、申請日前3か月以内に発行されたものが必要です。
- 登記事項証明書は、現在事項全部証明書ではなく、履歴事項全部証明書を出します。
- 大阪府は郵送での受付を原則として行っておらず、窓口へ持参して申請します。
法人でも個人でも必要な書類
大阪府の案内では、次の書類は法人・個人の双方に必要です。
申請者に関する書類
- 免許申請書
- 連絡先調書
- 略歴書(役員等の職歴。空白期間を作らず、他社の役員もすべて記載する)
- 経歴書(過去の事業経歴)
- 納税証明書(その1)
- 誓約書(欠格要件に当たらないことの誓約)
専任の宅地建物取引士に関する書類
- 専任性確認書類
- 専任の宅地建物取引士設置証明書
- 従事者名簿
事務所に関する書類
- 事務所付近の地図
- 事務所の写真・間取図
- 事務所を使用する権原に関する書面
法人だけ、個人だけの書類
| 法人のみ | 個人のみ | |
|---|---|---|
| 書類 | 履歴事項全部証明書/貸借対照表・損益計算書/相談役・顧問と、議決権を100分の5以上持つ株主の一覧 | 資産の状況を示す書面/住民票の抄本(マイナンバーの記載がないもの) |
| 補足 | 新設で第1期の決算が終わっていない法人は、開始貸借対照表を添付する | 住基ネットで確認できる場合は省略できる(外国籍の方は省略できない) |
設立したばかりの法人は決算書がありません。この場合の扱いは大阪府の案内に従い、開始貸借対照表を用意します。
身分証明書等は「誰の分」が必要か
身分証明書(本籍地の市区町村が発行)と、法務局が発行する「登記されていないことの証明書」は、次の人が対象です。
- 個人事業者の場合:代表者
- 法人の場合:役員(監査役を含む)と、相談役・顧問
- 個人・法人とも:政令使用人
令和6年5月25日以降、専任宅建士の分はこの2つの書類が不要になりました(新規、更新、免許換え、専任宅建士の増員・交代の変更届が対象)。
ただし、大阪府の案内には「役員と政令使用人は、専任宅建士を兼ねていても、引き続き必要」とあります。専任宅建士が役員を兼ねている場合は、役員としての書類が必要になる点に注意が必要です。
そのほか、次の点も確認しておきます。
- 外国籍の方は、身分証明書の代わりに、国籍が記載された住民票の抄本を出します。
- 登記されていないことの証明書は、電子的な証明書は使えません。
- 令和6年10月1日以降、新設法人が決算書を添付できない理由を書く書面と、賃貸借契約書等の「提示」は不要になっています。
身分証明書等は対象者の人数分を取り寄せるため、役員や政令使用人の洗い出しで迷いやすい部分です。構成が決まっている場合は、NEO行政書士事務所にご相談いただければ、必要な書類を人ごとに整理します。
専任宅建士の書類
専任宅建士については、次の書類が基本になります。
- 専任の宅地建物取引士の設置等に係る誓約書(専任宅建士3名ごとに1部)
- 宅地建物取引士証の写し(全員分)
- 専任宅建士設置証明書、従事者名簿
兼業をしている場合は、誓約書に代えて申立書が必要になることがあります。この点は専任宅建士の人数・専任性・兼業で詳しく取り上げます。また、取引士証の有効期間が切れていると受付できません。
事務所の書類
事務所については、次の資料が必要です。
- 事務所の使用権原を示す書面(賃貸借契約書、使用貸借の書面など)
- 間取図、建物の外観・入口・事務所内・備品の写真(6か月以内に撮影したもの)
- ビルや集合住宅、住居の一部、他社との同居など、形態に応じて平面図や導線写真を追加
大阪府は、過去の申請時の写真の流用を認めていません。事務所の要件そのものは宅建業免許の事務所要件で確認してください。自宅を事務所にする場合は自宅を宅建業の事務所にできるか、レンタルオフィスの場合はレンタルオフィスで宅建業免許は取得できるかも参考にしてください。
書類を集める際の注意点
- 有効期限のある証明書は、後から集める。 発行から3か月以内という条件があるため、早く取りすぎると使えなくなります。
- 人数分を洗い出す。 役員、政令使用人、専任宅建士ごとに、必要な書類が異なります。
- 食い違いをなくす。 申請書、略歴書、登記事項証明書、決算書の記載内容が一致しているかを確認します。大阪府の記入の手引でも、書き損じは二重線で訂正し、修正液等は使えないとされています。
書類の不整合に関する注意点は、補正を防ぐポイントでまとめます。
申請前のチェックリスト
- 申請書類の正本1部と副本1部をそろえた
- 官公署が発行する証明書は、申請日前3か月以内に発行されたものである
- 法人の登記事項証明書は、履歴事項全部証明書である
- 身分証明書等が必要な人(役員、政令使用人など)を洗い出した
- 専任宅建士の宅地建物取引士証の有効期間が切れていない
- 事務所の写真は、6か月以内に撮影したものである(過去の写真は流用できない)
- 申請書、略歴書、登記事項証明書、決算書の記載内容が一致している
- 窓口へ持参して申請できる(大阪府は原則として郵送で受け付けていない)
まとめ
必要書類は、法人・個人の共通部分を軸に、身分証明書等の対象者、専任宅建士、事務所の3点を押さえると整理しやすくなります。全体の流れは宅建業免許(新規)の申請完全ガイドを参照してください。
書類の洗い出しを任せたい、自分のケースで何が必要か確認したいという場合は、NEO行政書士事務所へご相談ください。申請の代理については宅建業免許申請ページで説明しています。
宅建業の手続き全体は宅建業の総合ガイドにまとめています。
