宅建業者が支店(従たる事務所)を新設するときは、①変更届の提出(変更から30日以内)、②営業保証金または分担金の追加、③支店への専任の宅地建物取引士の設置、の3点を確認する必要があります。支店を他の都道府県に出して、事務所が二以上の都道府県にまたがる場合は、免許換え(大臣免許への切り替え)も必要です。

「事務所」に当たる場所

宅建業法上の「事務所」は、本店または支店のほか、継続的に業務を行える施設を持つ場所で、宅建業の契約を締結する権限を持つ使用人を置くものも含みます(宅建業法施行令第1条の2)。名称が支店でなくても、この条件に当たる場所は、事務所として扱われます。

1. 変更届の提出

大阪府の変更届の区分には「従たる事務所の新設」があります。事務所の名称・所在地の変更にあたるため、変更が生じた日から30日以内に届け出ます(宅建業法第9条)。手数料はかかりません。提出書類は、大阪府の「変更届出に必要な書類」で確認できます。詳しくは変更届が必要なときで整理しています。

支店長などの代表者を置く場合は、その方は政令使用人にあたるため、政令使用人の就任の届出も必要になります。政令使用人が欠格要件に当たると免許を受けられないため、就任前に確認してください(欠格要件の記事)。

2. 営業保証金または分担金の追加

事業の開始後に新たに事務所を設置したときは、その事務所について、営業保証金を追加で供託します(宅建業法第26条)。金額は、主たる事務所が1,000万円、その他の事務所は事務所ごとに500万円です(宅建業法施行令第2条の4)。

保証協会に加入している場合は、弁済業務保証金分担金を追加で納付します。金額は、主たる事務所が60万円、その他の事務所は事務所ごとに30万円です(同施行令第7条)。納付の時期や方法は、加入している保証協会に確認してください。

営業保証金を供託したときは、その旨を免許権者に届け出ます。届出をした後でなければ、その事業を開始してはならないとされています(宅建業法第26条第2項による第25条の準用)。保証金の違いは営業保証金と保証協会の違いで解説しています。

3. 専任の宅地建物取引士の設置

宅建業者は、事務所ごとに、専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。設置の基準に合わない事務所を開設することはできません(宅建業法第31条の3)。大阪府の手引では、事務所ごとに、従業者5人に1人以上の専任宅建士が必要とされています。

複数の事務所の専任を兼ねることは、認められません。本店の専任宅建士を、支店の専任にすることはできないため、支店用に新たな専任宅建士を確保する必要があります。詳しくは専任宅建士が認められないケース、専任の宅地建物取引士とはをご覧ください。

4. 他の都道府県に支店を出す場合

大阪府知事免許のまま、他の一の都道府県に支店を新設すると、事務所が二以上の都道府県にまたがるため、国土交通大臣免許への免許換えが必要になります(宅建業法第3条第1項、第7条第1項)。この場合の営業保証金や分担金の追加も、免許換えの手続きと合わせて確認します。詳しくは免許換えの記事で整理しています。

支店を出す前のチェックリスト

  • 支店が「事務所」に当たるか確認した(契約締結の権限を持つ使用人を置くか)
  • 支店の場所が、事務所の要件を満たす(事務所要件)
  • 支店用の専任宅建士を確保した
  • 営業保証金(500万円)または分担金(30万円)の準備をした
  • 変更届を、新設から30日以内に提出する予定である
  • 他の都道府県に出す場合は、免許換えが必要か確認した

まとめ

支店の新設では、変更届、保証金の追加、専任宅建士の設置の3点が中心です。他の都道府県に出す場合は、免許換えも必要になります。出店の日程が決まっている場合は、専任宅建士の確保と保証金の準備を先に進めてください。手続きの整理は、NEO行政書士事務所にご相談ください。

支店の新設のほか、更新・変更届・免許換えなど、宅建業の手続き全体は宅建業の総合ガイドにまとめています。

出典:宅地建物取引業法(e-Gov法令検索)、宅地建物取引業法施行令(同)、大阪府「変更届出に必要な書類」。2026年9月26日に確認した内容です。

※本記事は宅建業免許制度に関する一般的な情報を目的としたものです。要件・必要書類・費用・運用は変更されることがあり、個別の状況によっても異なります。申請の際は、必ず大阪府(所轄行政庁)や各保証協会の最新の案内をご確認ください。

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